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2008/12/14
18:28
痛みに関する知覚とそれに作用する力

おはようございます。って言っても私もうすぐ寝ますが。

今日は朝まで仕事でした。

そこで今日は痛みに関する話です。

 

痛みってのは主観的なものでして、閾値にも個人差があり他人が感じている痛みをそっくりそのまま感じることは不可能とされています。

で、なんで痛い話なんだ?と言いますとね。最近ターミナルの方が多くって。ターミナルってのは末期の方を指す医療用語です。

どうしても末期って状態は「痛み」と伴うのです。癌の転移で結構いろんな痛みが出てきます。骨とかは特に。

なので末期の人の苦痛を軽減する重要な看護に「疼痛コントロール」があるわけです。

痛みに関して結構誤解されやすいのが、痛み止めを使うことを悪いことだと思う人が多いようで。それが、そうではないのです。大概の場合、痛みを取る薬剤は依存性がないように計算されて指示されていますし、何種類かを併用していくことも普通です。医療はサービスなので苦痛なく受けられることが大切なのです。

だから、痛い時は遠慮とか我慢とかしない方がいいです。手術とか、検査とかにおいても、そりゃ切ってるんだし刺してるんだし痛いに決まってるんです。そのための痛み止めですから。あ、採血とか点滴は我慢してください、よっぽど下手とかよっぽどクセのある血管でない限りはちくりで終わりですから(笑)

ターミナルの場合は痛みが持続する状態が続きます。だから、痛みをコントロールして苦痛を和らげようということなのです。

痛み止めにも軽いものから強いものといろいろあります。しかし最後に使うのは麻薬。これは依存性のあるものです。それでもあえて使用するのはそれだけその痛みが齎す苦痛が不利益だからです。限られた残りの時間を苦しまずに過ごすことで本人も家族も死を受け止める準備ができるように、ということですね。

しかし、その痛み止めを使用しても痛みが緩和されないこともしばしばあり。

そんなとき、私たちには何ができるのか、ということをよく考えます。

今日もずっと腰が痛いって言って眠れない患者さんがいて。痛み止めを使えるだけ使ってみたのですが、それでも駄目で。

何ができるかなって、考えたけどわかんなくって。ひたすらさすってあげるくらいしかできなくって。

だけど、その人は「ありがとう」って言ってくれて。

自分からすればむしろ、何にもできなくってごめんねって謝りたいくらいで。自分が痛かったらきっと何でどうにかしてくれないんだよってなると思うのです。だけど、「ありがとう」って言った。

確かに手は疲れたけど、結局何にも出来ないんですよね。

だから、そんなもどかしさがずっと心に張り付いてて。

でも、前向きに考えないとなって思うから、何もできないけれど――傍にいる。そして、触れられることが目には見えないけど、心とか魂とかそういうのに(あんまり目に見えないものや自分が触れないものに何かを求めるのは好きではないのだけど)作用してくれたらいいのになって思うことにした。身体的な苦痛は取り除けないけど、精神的には作用できればいいんじゃないかとか思ったのです。

トータルペインって言葉があるように、身体的にも精神的にもそれぞれ痛みがあるけど、どちらも相互に作用しあって総合的な痛みの感覚を齎すのであるわけで。だったら、精神的に少し痛みが和らぐことは全体的には苦痛緩和になるのではないかと思うわけで。

同じ痛みを知ることはできないけれど、痛みに触れることはできる。

寄り添うことはできる。そう思わないと、なんだかやるせないのです。弱くてごめんなさい。

だけど、一生誓います。痛みに触れ、限られたその時間を共有することを。それが私の職業人としての使命ですから。

そんなことを考えた帰宅の途中に空を見上げて思いました。

ああ、なんて今日も空は青いのだろうと。

 

ちょっと真面目に書きすぎました。ああ、もうなんだかな。



詳細: http://blogs.myspace.com/index.cfm?fuseaction=blog.view&friendId=1004157579&blogId=456190125#ixzz15ou7DjIo
 
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